草木染めニットALUNのネームの由来の物語
ALUNはアルンと読みまして、デンマーク語でみょうばんの意味です。
草木染めでは、染料を定着させるために、媒染という行程を行いますが、みょうばんは媒染剤の代表格です。
硫酸カリウムアルミニウムといいまして、アルミの金属塩。水の中の染料分子を繊維の中のタンパク質にがっちり結びつける役目をします。
なぜに、みょうばんがネームになったのか・・
草木染めを始めた当初、私はエコ人間で、ケミカルな媒染剤が出来てなかった時代に、ウール染めには一体何を使っていたのかとても不思議だったのです。
日本古来の草木染めは、泥染めや灰汁媒染など自然の中にある金属の作用を利用したものがあり、文献もありましたが、それは全て絹や木綿、麻の染色。
ウール(毛糸)はもともと日本にはなかったものなので、昔の染め方のついての資料が見つかりませんでした。
その頃(1985年)に、ヨーロッパ・北欧に旅行に行く機会があり、工芸に関連する博物館などでわからないかと、行き当たりばったり現地で情報を収集して探しまわりました。そしてデンマークのLejreというリサーチセンタでやっと探し当てたのです。
そこは、日本では考えられないほど、広大な敷地に茅葺き屋根の竪穴式住居が点在し、昔の人の生活を体験させてくれるとても素敵な施設で、草木染めのデモンストレーションをしている場所もありました。
今思うとMordant(媒染剤)という単語すらしらないでよくぞ話が通じたと思いますが、そこで担当の方にALUNと書かれたメモ頂き、薬局で購入するまでこぎつけ、ついに最古の媒染剤を発見したぞ!と喜び勇んで帰国したのでした。
さてしばらくして、使ってみましょうかと、包みを開くと、写真のキラキラの結晶が現れました。ところがそれ、何の事はない、いつも使っていたみょうばんと全く同じものだったのです。
大発見と思った幻の媒染剤が。。えっ?なに?いつも使ってるのと同じもの?
探していたものは、すでに自分で使っていたんです。みょうばんとはもともと天然にあって、現代では塩のようにケミカルに作った物が安価に出回っていると言う訳でした。
かくして安心してみょうばんの媒染が出来るようになったのです。
そんな思い出があって、わたしも人と草木染めを繋げる媒染剤になりたいという想いも重なりブランド名をALUNにしました。
インターネットすぐ調べられる今では考えられない、昔昔のお話でした。
森山かをり
1959年生まれ
武蔵野美術短期大学 デザイン科木工コース専攻卒
木工職人を目指すが挫折
1983年 草木染め手紡ぎのニットの制作を始める
1986~88年 西東京市ひばりが丘駅近くにクラフトショップ「アルンハウス」を開店
1995~2006年 ひばりが丘自宅横にショールーム「ALUN」を開店、作品・糸の販売とともに編物教室を始める
現在は国立市在住 東京都北区にて編物教室を開催
shopはありませんが作品展などで作品を発表
ALUNの作品が見られるところ→北区赤羽教室(お問い合わせください)
2004年よりNPO女性ネットSaya-Sayaのもとで、DV被害者女性の支援活動に参加する。被害者女性対象の草木染めワークショップや被害者女性と手仕事をしながら回復をサポートする活動に携わる
2009~ 国立ギャラリーゆりの木 三人展
2007.3~ 四谷主婦会館 女達の手仕事展 企画出展
2005.11 立川 ティールーム茶遊 個展
2005.4 吉祥寺東急デパート出展
2005.1 志木 ギャラリー青彩 三人展
2004.10 三鷹 ギャラリー日髙堂 二人展
2003.11 南青山 ギャラリー瑠璃 四人展
2003.12 渋谷 東急本店 二人展
2001,11 南青山 ギャラリー瑠璃 三人展
1990~1996 自宅にて個展
1985.10 赤坂 クラフト小川 四人展
田中直染料店・・・・・・・染色関係の道具染料たいていのものが揃います。WEBshopもあり便利!
アナンダ・・・・・・・・・アシュフォード紡ぎ車、染料、原毛など幅広く揃ってます。インドものも充実。
kakara woolworks・・・・マジャクラフト紡ぎ車、アートヤーン用の材料や道具、洋書などが充実
AVRIL・・・・・・・・・・カラフルでユニークな糸が手に入る糸やさんですが、染色用生成り糸も手に入ります。
Tokyo spinning party・・1年に一回のイベント。手紡ぎや染めの材料、道具を販売するブース、WSなど盛りだくさん。
エル・ミューゼ・・・・・かわいいボタンがたくさん!